ショアジギングと一言で言っても、ガチのショアジギングからライトショアジギング、スーパーライトショアジギングまで存在するため、それぞれタックルが異なります。以下、それぞれの種類とタックルの選び方を解説します。

ショアジギングとは?

釣りのジャンルの中でもよく聞くショアジギング。そもそもショアジギングとはいったいどんな釣りでしょうか?

ショアジギングとは、メタルジグという鉛製の魚に模したルアーを遠投し、激しく動かしたり、速く巻いたりして魚を釣る釣り方です。狙うターゲットは青物を主としたフィッシュイーターです。そもそもフィッシュイーターとは、小魚を捕食する魚であり、青物や真鯛、シーバス、ヒラメ、太刀魚など、種類は多岐に渡ります。

フィッシュイーターはサイズが大きいものが多く、強烈な引きを味わわせてくれるため、ショアジギングはエキサイティングな釣り方として、大人気の釣りジャンルです。

ショアジギングの種類

ショアジギングには様々な種類があり、大まかに3つに分けられます。
目安としては、使用するメタルジグの重さでカテゴライズされます。

ショアジギング

ジグウェイト:80g~
ターゲット:ヒラマサ、カンパチ、ブリ、シイラ、根魚 など

もともとショアジギングという釣りは、80gを超えるような非常に重たくて大きいメタルジグを遠投し、ブリやヒラマサといった大型のターゲットを狙うといったものでした。現在でもこの釣りは根強い人気があり、別称『ロックショア』とも呼ばれ、パワフルでエキサイティングな釣りとして世界中で人気があります。

釣り場も荒磯や沖磯がメインで、釣れる魚はビッグサイズなものばかり。なかには何十キロにもなるモンスター級もヒットする可能性があり、装備もタックルもそれ相応の準備が必要になります。

ショアジギングタックル

本格的なショアジギングタックルの参考例です。ターゲットはブリやヒラマサ、カンパチといった大型青物になります。磯は魚とのやり取りの際、走られ過ぎると水中の根(岩礁)によってラインブレイクしてしまうため、多少強引にやり取りをする場面も多くあります。ロッドもラインも強くて太いセッティングを意識しましょう。

ロッド
100g以上のメタルジグを扱えるショアジギング専用ロッド。
重いメタルジグをキャストできるという点も重要ですが、大型の青物と渡り合えるロッドパワーと粘り強さが必須となります。

リール
6000番~10000番 スピニングリール。
重いメタルジグを使用する事や大型青物とやり取りする上で、パワーや剛性が強いリールが必要になります。
※フィールドによってさらにパワー・糸巻量の多いリールが必要なこともあります。

メインライン
PE2~5号。ラインに関してもフィールドや釣れる魚のサイズによって異なりますが太目のラインを使用します。また、PEは複数の糸を撚って作られていますが本数が多いほど強度が高まるとされているため8本撚り位のラインをオススメします。

リーダー
フロロカーボン40lb~60lb。
磯では特に根ズレが多く発生します。根ズレに強いフロロカーボンリーダーは必須です。使用するPEの太さに合わせてリーダーの太さを選びましょう。

 リーダーの太さの目安
使用するPEの号数×20程度の太さが一つの目安になります。
例:PE(3号)×20=60lb

メタルジグ
60g~150g。
※水深や潮の速さによって選びます。

ライトショアジギング

ジグウェイト:20g~60g
ターゲット:青物全般、小型回遊魚、太刀魚、ヒラメ・マゴチ、真鯛 など

最近ではショアジギングときくと、このライトショアジギングをイメージする人がもっとも多いのではないでしょうか?30~40gのメタルジグを使って、さまざまなアクションを駆使して狙う釣り方です。

釣れる魚種もかなり豊富で、青物はもちろん、小型回遊魚や根魚、真鯛、シーバスなどなど、フィッシュイーターならどんな魚でも狙うことができます。

釣り場は主に都市近郊の堤防から身近なサーフなど、比較的アクセスしやすいフィールドでできるため、最近では初心者の方や女性の方でもできる釣りとして人気を博しています。

ライトショアジギングタックル

ライトショアジギングタックルは、ショアジギングより本格的な強いタックルでなくとも大丈夫です。ロッドに関してはシーバスロッドでも代用でき、PEラインも1号~1.5号と比較的使いやすい号数で対応できます。使用するメタルジグは20g~60gと比較的ライトなので、お子様や女性の方でも充分楽しむことができます。

ロッド
60gまでのメタルジグを扱えるショアジギング専用ロッド。
軽く扱いやすいという理由で、40g位のメタルジグを扱えるシーバスロッドを使用する人も多くいます。

リール
3000番~5000番のスピニングリール。
フィールドや狙うターゲットによって番手を選びましょう。また、メタルジグをシャクるなど激しい動きもするため、ある程度剛性があるリールが良いです。

リールにはギアの違いで種類があり、パワーギア(PG表記)や、ハイギア(HG表記)、エクストラハイギア(XG表記)があります。

PG(パワーギア):パワーがあるタイプ。(巻き抵抗が少ない分、巻き取り量が少ない)
HG(ハイギア):糸の巻き取り量が多いタイプ。(巻き抵抗がある分、巻き取り量が多い)
XG(エクストラハイギア):HGよりさらに巻き取り量が多いタイプ。

青物狙いの時はメタルジグを素早く動かすことが多いので、一般的にはHGかXGを使用します。

メインライン
PE1号~1.5号。
小型のターゲットなら1号、中型青物も狙う際は1.5号の太いものを選びましょう。ショアジギングと同様8本撚りクラスのPEがオススメです。

リーダー
フロロカーボン25lb~40lb。
使用するPEに合わせましょう。ただし、サゴシなど牙が鋭い魚をメインで狙う際は少し太めにセットすると、牙でリーダーを切られにくくなります。

メタルジグ
20g~60g。
ライトショアジギングでは、ワンピッチジャークなどの「シャクリ」やリールを巻くだけの「ただ巻き」など、魚を誘うアクションがいくつかあります。それぞれ誘い方にあった形状のメタルジグがあるので数種類のメタルジグを用意しておきましょう。

スーパーライトショアジギング

ジグウェイト:3g~10g
ターゲット:サバ、アジ、メバル、根魚

極小のマイクロメタルジグを使ってサバやアジ、メバルなどのライトターゲットを狙う釣り方です。ショアジギングというよりも、どちらかというとライトゲームに近い釣り方で、小さいアタリを掛けていくテクニカルな釣りです。

ライトショアジギング同様、身近なフィールドでできるため、こちらも人気の高い釣りのひとつです。タックルもかなりライトなため、釣れる魚のサイズは小さくても、十分ファイトを楽しむことができます。

中には30㎝を超えるようなターゲットが釣れることもあり、病みつきになるアングラーが続出しているほど人気を博しています。

スーパーライトショアジギングタックル

スーパーライトショアジギングは、サバやアジ、根魚などの小型のターゲットを狙うため、タックルの強さは必要ありません。繊細な釣り方になるので、むしろ操作感が良いものや、軽くて扱いやすいものを選びましょう。

ロッド
10g前後まで扱えるライトゲーム用ロッド(メバリングロッドなど)や、柔らかめのエギングロッド。

リール
2000番~3000番前後のスピニングリール。3gから5g程度のメタルジグを使って小サバやカサゴを狙う際は小さい番手。10g程度のメタルジグを使ってツバス(ワカシ)などの小型回遊魚を狙う際は大きめの番手を選びましょう。

メインライン
PE0.4号~0.8号。
こちらも狙う魚のサイズによって太さをチョイスしましょう。細ければ細いほどジグの飛距離が出る・魚に見切られにくくなるなどメリットがありますが、想定より大物が掛かった際や根掛かりした時すぐに切れてしまいます。

リーダー
フロロカーボン12lb~20lb。

メタルジグ
3g~10g前後。マイクロジグも誘い方別に様々なタイプが存在します。特にスーパーライトショアジギングでは、フォールかただ巻きで喰わせることが多いので揃えておきましょう。


ひとえにショアジギングといえど、場所や釣り方によってタックルは大きく変わります。
間違ったタックルセッティングをしてしまうと、タックルが破損してしまったり、せっかく大物を掛けてもランディングに持ち込めないことが多くあります。常にベストなタックルセッティングをオススメします。